小学校受験で行われる絵画造形試験では、絵や工作の「うまさ」だけではなく、子どもたちの行動や姿勢、創造力が多角的に評価されます。
本連載では、小学校受験における絵画造形の試験対策を3回にわたってお届けします。初回となる今回は、絵画造形試験で求められる力と、それを日々の生活の中で楽しく身につけるための基本的なポイントについて解説します。
試験直前に急に習得できるものではありませんが、子どもたちが自由な発想を大切にしながら、自分らしい表現力や感性を伸ばしていくためのヒントを見つけてみてください。
絵画造形試験対策の第一歩!基礎力を身につけよう
絵画造形試験では、道具の扱い方や基本的な技術がしっかりと身についていることが重要です。ハサミの使い方や紙の切り方、粘土や折り紙で形を作る方法といった基礎的なスキルを、まずは丁寧に習得しましょう。
もし間違った道具の使い方が習慣化してしまうと、修正には時間がかかります。新しい素材や道具に挑戦する際は、基礎的な使い方をしっかり確認してから取り組むのがポイントです。
日常から感性を磨こう!観察力を養う方法
感性を育てるためには、日常生活の中でさまざまなものを観察する習慣をつけることが大切です。
季節の移ろいや、身の回りにあるものの形や色をよく見て、それを絵や工作で表現する練習をしてみましょう。例えば、紙や粘土に加えて、アルミホイルや糸、和紙といった異なる材料を使うことで、表現の幅を広げることができます。
技術の習得だけではなく、感性や発想力、表現力をバランス良く育てることが、絵画造形試験の準備において重要です。日々の生活の中で、自由な発想を楽しみながら力を伸ばしていきましょう。
発想力と表現力を引き出そう!オリジナリティを大切に
試験では、与えられた材料で指示通りの作品を作るだけでなく、自分なりのアイデアや発想を取り入れる力が求められます。オリジナリティを発揮して「新しいもの」を生み出す力を養いましょう。
さらに、作品を通じて何を表現したかったのか、どんな思いを込めたのかを自分の言葉で説明できるようになることも重要です。この力を育むことで、表現力だけでなく自己表現の楽しさも学ぶことができます。
試験までに身につけたい力をチェック!
絵画造形試験では、多くの側面が評価の対象となります。ここでは、試験までにお子様に身に付けて欲しい力をカテゴリ別にご紹介します。普段の取り組みと照らし合わせて、見落としているポイントがないかチェックしてみましょう!
試験で求められる「取り組む姿勢」
- 時間内に作品を完成させる力
- 道具を正しく扱うスキル
- 道具の受け取りや渡し方の丁寧さ
- 協調性を持って取り組む姿勢
- 作業後の片付けの習慣
- 集中力を持続させる能力
- 新しい課題に対する好奇心
- 指示を正確に理解し実行する力
「絵画」で育てたい力
- 丁寧な塗り方ができるか
- 季節のテーマや雰囲気を理解して表現できるか
- 動物・魚・植物の特徴を捉えて描けるか
- 全身の人物画を描けるか
- 年齢や性別の違いを意識した人物の描き分け
- 表情を豊かに描き分ける力
- 動きのある人物を描くスキル
- 描いた絵の意図や思いを説明できる力
- 将来の夢や楽しかった出来事を描いて表現する力
- 模様や柄を上手に書き分ける力
- 室内や屋外の風景を描く力
「工作」で鍛えたい素材の扱い方
- 折り紙: ちぎる、四角や三角に折る、3種類以上の折り方を習得
- モール: ねじる、形を作る、つなげる
- 粘土: 丸める、こねる、形を整える
- 紐: 固結びや蝶結びを習得
- 輪ゴム: 輪ゴムをつなげる応用力
まとめ|試験対策を楽しみながら力を伸ばそう
試験本番では、どのような課題や素材が出題されるかを予測することは難しいものです。そのため、日々の生活の中でさまざまな経験を積み、表現力や創造力をバランスよく伸ばしておくことが大切です。
色を使った絵を描いて感性を磨いたり、季節や特定のテーマに合わせた作品作りをすることで、自然に力を育てていきましょう。試験対策として意識するのも重要ですが、遊びの延長として楽しむ姿勢が子どもの成長を後押しします。
そして、基礎力をしっかり固めておくことも大切です。次回、第2回の記事では、絵画造形の基礎となる「線」と「図形」の描き方に焦点を当て、日々の練習に役立つ具体的なコツをご紹介します。この記事には無料でダウンロードできる練習用プリントもついていますので、ぜひ活用してみてください。